家族葬や直葬では周囲の理解を得られないことも。

地域とのつながりが希薄になった現在、葬儀のかたちは多様化しています。最近増えているのが「家族葬」と「直葬」です。
家族葬では弔問客の対応に追われることなく近親者でゆっくりとお別れができることや、葬儀の連絡が簡便。直葬の場合は費用が最低限ですむことや葬儀を設営する手間がないなどのメリットがあります。

家族葬は家族のみ、または近親者を含めても20人程度で行う葬儀です。本人をよく知った人だけで見送る葬儀ですが、連絡を受けなかった人の中には「お別れをしたかった」と残念に思う方もおられます。そのような方が後日多数ご自宅を訪れてかえって対応が大変だったということもあります。
家族葬は小規模なので費用がかからないと思われがちですが、香典という「収入」が少ないため遺族の負担額は一般的な葬儀とさほど変わらないのが現状です。

直葬は「葬儀を行わないお見送り」です。安置所へ運びそのまま火葬します。火葬炉の前で簡単なお経をあげる場合もありますが、亡くなった方を偲んだり、遺族が心の整理をしたりする時間も許されないあわただしいお別れです。
檀家の直葬を認めない寺院もありますので、菩提寺がある場合には前もってご相談されることをおすすめします。

葬儀には亡き人を知る親族や知人が集まり、思い出を語ることで遺された人の絆が深まるという意義もあります。遺族の意向や費用だけでなく、故人とお別れをしたいという人たちの気持ちも考えながら葬儀の形を考えたいものです。


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